北京五輪・・・新聞では「成功」だが、中国でもネット民の間では批判

中国共産党中央機関紙の人民日報は24日、1面の総括記事で「8月、北京は世界の舞台であった」と五輪は成功したと報じた。各紙も国内外の声を引用し五輪成功の権威づけに懸命だ。しかし、インターネットには批判も少なくない。統制された公式メディアとは違い、ネット世論を掌握しきれていない中国共産党の報道統制のほころびから、北京五輪の真実の姿がかいま見える。

 人民日報は「北京、五輪の日々」の記事で、「党中央、国務院の指導のもと全力を注いで開催された五輪が国際社会、各国選手、人民を満足させた」と論評した。開幕式、選手村、会場、交通、ボランティアに対する国際オリンピック委員会(IOC)関係者の絶賛ぶりを紹介。市民へのアンケート調査で99%が「なんらかの形で五輪にかかわっている」と答えた結果などを引用し、五輪には市民の積極参加があり、ボランティア意識や列に並ぶという文明的生活習慣など、市民に与えた精神的遺産も大きいと評価した。

 新京報、環球時報、北京青年報はシンクロナイズドスイミングの米国チームが「謝謝、中国!」と書いた横断幕を掲げ入場する写真を1面に掲載した。開会式での「口パク事件」や人権活動家の拘束など五輪に対するマイナス報道はほぼ統制され、陸上男子ハードルの劉翔選手の土壇場での棄権問題については「劉選手擁護」で各紙が足並みをそろえた。

一方、ネット上では掲示板やブログで、外国サイトから情報を得たネットユーザーの多様な意見があふれた。胡錦濤国家主席も重視しているという人民日報運営の掲示板「強国論壇」では、「そんなに金をかけて五輪をするな。金持ちはそんなに多くないし、素直な人民もそんなに多くない」「金メダルの数からすると中国は強大になった。だが、われわれが必要なのは毎日1人当たり300グラムの米と150グラムの肉だ」「五輪でどれほど浪費したのか。劉翔は国家のものか。五輪の総括が必要だ」「金メダルが増えると劉翔みたいな選手が増えるのか、たえられない」といった厳しい意見も少なくなかった。

 また、体操選手の年齢詐称問題については「農村では年齢を詐称して結婚することはよくあることだ」といった皮肉もあった。

 こういった五輪批判は削除の対照になっているが、現実にはその膨大な書き込みの前に削除しきれていない。このためネットにかいま見える国民の本音こそが、五輪の成功度をはかる裏のバロメーターといえそうだ。 【北京=福島香織@2008.8.24】


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